受賞者
内海域環境教育研究センター・センター長 川井浩史 教授
受賞日
2019年3月16日
受賞名
日本藻類学会学術賞(山田賞)
業績名
藻類学における研究成果

概要

川井浩史教授 (写真左) 授与式にて

(写真提供:北海道大学 小亀一弘教授)

川井教授は、藻類、特に褐藻類の分類・系統・生物地理などに関して先進的な研究を進め、多数の新分類群・新組み合わせを発表しました。その中には、褐藻類の起源を探る上で重要な知見や関連する系統群の新綱・新目の発見も含まれており、褐藻分類学を牽引してきました。また、褐藻の遊走細胞に関する細胞学的研究や、カヤモノリやシオミドロの分子生物学的研究、日本から世界に拡がったとされる移入海藻の生物地理学的研究など、様々な分野において顕著な業績を上げました。加えて、日本海における大規模重油流出事故後の沿岸生物相調査、NaGISAプロジェクト、モニタリングサイト1000事業などの生態学的調査にも積極的に取り組み、持続的な藻場モニタリング調査を推進してきました。さらに、ナショナルバイオリソースプロジェクトにおいて海藻カルチャーコレクションを立ち上げ、海藻保存株の収集・保存・提供を行うことで海藻研究の発展にも大きく寄与しました。川井会員は、国内外の藻類研究者と幅広いネットワークの礎を築き、国際学会の誘致・開催や日本藻類学会及びアジア太平洋藻類学会連合の会長、国際的な藻類雑誌の編集長を務めるなど、藻類学の普及にも努めてきました。

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